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マイクロスコープ補綴へのかけ橋 |
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はじめに |
に使っていないところから発信されていることに注意していただきたい. 患者が,歯科医師の技術が向上すること,その向上に伴い患者自身の肉体的・精神的苦痛が軽減されること,次元の異なるより良い結果が与えられることに不満をもつはずはない.むしろ待ち望まれていることは,皆さんも日々感じていることだと思うまずは,マイクロスコープがルーペと同じく単に拡大するための高価な道具ではなく,それを用いた歯科治療は拡大した術野で治療を行うだけのものではないことを,認識し直す必要があろう. マイクロスコープを用いた歯科治療を誤解なく表現してくれる造語として,1998年春のCalifornia Dental Association Meetingマイクロ・シンポジウムの中で,Dr. Mark Freidmanが提唱したMicroscope Assisted Precision Dentistry(MAPD,マイクロスコープを用いた精密歯科治療)がある.マイクロスコープはあくまでもアシストしてくれる便利な道具にすぎないが,これがないと(ルーペでは)すべての歯科治療をビジュアルガイダンスで精密に実施することによる,より良い結果を,より速やかに患者に提供し,患者のさらなる満足度,ひいては患者の歯科医師に対する好感度を得ることはできない. ビジュアルガイダンス 術野を拡大することや術野を均一な光で明るくすることは,精密に治療を行ううえでは,必要条件であって十分条件ではない.人間がもっとも精密に作業を行うには,体感感覚によって筋肉を動かしてやるのではなく(手指に伝わった感覚を頼りに手指を動かすのではなく),体感感覚より優れている視覚による情報によって筋肉を動かしてやるビジュアルガイダンスが必要なことは,だれでも経験から知っていることである.これは情報が脳のシナプスへ達する量・速さともに体感感覚と視覚では非常に異なるからである. このことは,小さな物体の形状を把握するには,手指の感覚に頼るよりも目で見た方が早いことが示している.また,ルーペなどを使って形成を試みても,思ったほどの成果が得られないことを経験した人にも,おぼろげながらも理解できると思われる.マイクロ技工で同じように作製されたはずの補綴物に違いが認められるのは,製作者の器用/不器用によるのではなく,製作者がビジュアルガイダンスを使っているか/使っていないかによるところが大きい.より良い道具は,作業環境を向上させてくれるものであるが,それを使いこなせるかどうかは,使う人間次第だということである. |